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模擬講義体験記「お金の正しい使い方~お金1.0 → 2.0~」

今回はTFU OPEN CAMPUS 2018 第2回のプログラム、清水先生(経営学科専任講師)による模擬講義についてレポートします。

 

 

(清水先生)社会はお金にまつわる話ばかりなのに、多くの人はお金の勉強をする機会がありません。「金融リテラシー」というのは、お金に関する知識や情報を正しく理解し、主体的に行動できる能力のことです。金融リテラシー教育は日本では遅れていますが、欧米では子供へのしつけと同様に幼少期から始めています。

 

(FUJIMAGA)金融リテラシーは社会において必須な能力ということですね。

 

(清水先生)お金は通貨とも言います。「通」という文字は、「通る」や「流通」という言葉で用いられますよね。これは、動きを表しています。つまり、お金はその性質上動くものであり、留まっているのはよくありません。お金は経済の血液と言われるように、お金は動かないといけません。タンス預金なんかはセキュリティーの点でもよくありませんし、経済にとっても弊害となります。お金は使わないといけないのです。

 

(FUJIMAGA)どうやってお金を使えばいいのですか?

 

(清水先生)多くの人は銀行に預金をしていると思います。しかし、現在の預金金利は0.001%ですよ。これだと、10万円を預けても1年間で利息はたったの1円です。コンビニのATMで現金を引き出せば手数料で簡単に利息はふっ飛びます。預金ひとつとってみても、皆さん考えて預金してますか?店舗を構えている銀行よりもネットバンクの方が金利が高いですし、同じ預金であっても普通預金よりも定期預金の方がもらえる利息が高いですよ。

 

(FUJIMAGA)預金の違いなんて考えたこともありませんでした。こんなに違いがあるのですね。

 

(清水先生)お金は正しく使うと増やすことができます。その方法のひとつとして税金との向き合い方を紹介します。非課税制度の活用としてのiDeCoとNISAです。iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、20歳から加入する国民年金の上乗せ部分になります。老後に備えて毎月積み立てる金額(掛け金)が税額控除の対象となるため、税負担の軽減につながるというわけです。

 

(FUJIMAGA)積み立てるほど支払う税金が少なくなるメリットがあるのですね。

 

(清水先生)NISAは節税に直結する制度です。投資をして利益が出た場合、この利益に対して課税される(税率20.315%)のが通常ですが、NISAを利用すれば非課税となります。「一般NISA」とは区別される「つみたてNISA」が2018年からスタートしています。

 

(FUJIMAGA)「一般NISA」と「つみたてNISA」はどっちがいいのでしょうか?

 

(清水先生)株式投資をしてみたい人なら一般NISAを選択します。つみたてNISAでは株式に投資をすることはできません。

 

(FUJIMAGA)一般NISAは年間120万円×5年間=600万円の非課税枠で、つみたてNISAは年間40万円×20年間の非課税枠なんですね。

 

 

(清水先生)ここまでは従来のお金の話、お金1.0時代の話です。現在はバージョンアップしてお金2.0の時代です。この時代のお金の新しいカタチとして仮想通貨があります。ビットコインをはじめとする仮想通貨は、その価格の行方ばかりに注目されていますが、大事なのはそこではなく、仮想通貨を支えているテクノロジーシステムにあります。ビットコインであれば「ブロックチェーン」、イーサリアムであれば「スマートコントラクト」です。これらの新たなテクノロジーシステムは中央集権化された社会を分散化された社会へと変化させると言われいます。

 

(FUJIMAGA)テクノロジーの発達が社会のカタチを変えるのですね。

 

(清水先生)社会における価値の所在は変化します。金融リテラシーはこの価値の所在を見極めるうえで非常に重要です。個人的に興味があって好きなことである個人的価値と社会が必要としていて価値がある認めている社会的価値の2種類が価値にはあります。個人的価値があって、かつ社会的価値があるものを発見することができたら、これ以上幸せなことはありません。そんな発見をぜひ大学でしてください。