新着情報

模擬講義体験記「オンラインマーケティングの裏側:ビッグデータとAIが変える世界」

第3回目の「TFU OPEN CAMPUS 2018」が5月27日(日)に開催されました!

今回は、広瀬先生(経営学科教授)による模擬講義についてレポートします。

レポートを通じて、大学での勉強をイメージしてみてください。

(広瀬先生)私は大学でマーケティングを教えています。マーケティングを理解するには、消費者行動論、広告論、流通論といった勉強しなければならない分野があります。例えば、目線の高さに商品を置くというテクニックやレジの近くに商品を置いて、ついでに購入してもらうことを狙うテクニック等は、消費者行動論で学ぶことのひとつです。広告論はテレビ・雑誌・ネット等のCMを勉強します。流通論は、物流のことについて勉強する学問領域になります。例えば、アマゾン(amazon)は物流の有名な企業ですね。

(広瀬先生)優れたビジネスパーソンとなるために必要なことはなんだと思いますか?

経営学を基礎としてビジネスを学ぶ上で、知識を蓄積することは大事ですが、色々な方向からのモノの見方ができなければいけません。当然、売る側の立場からだけではなく、買い手の立場からもモノを考えることができなければいけません。

 

(FUJIMAGA)自分だけが良ければいいやというのは、ビジネスの世界では通用しないということですね。

色々な人の気持ちを考える。こういった点で心理学の要素も重要になってきそうですね。

 

(広瀬先生)今日はスマートフォンに焦点を絞ってお話したいと思います。

スマートとは「賢い」という意味だけれど、その賢さとはなんだろうか?スマートフォンを利用することで可能になったマーケティングがあります。それは、「カスタマイゼーション」です。自分が持っている外部機器と接続させたり、個人データを連動させたり、好きなアプリをインストールして自分だけのスマホにカスタマイズできるという意味です。

人の好みは様々です。企業としては、一人ひとりにその人が欲しいと思っているモノを提供したいと考えます。これを「パーソナライゼーション」と言います。そのためには膨大な情報が必要となります。これが「ビッグデータ」と呼ばれるものです。

 

(FUJIMAGA)企業は消費者の細かな情報をどうやって集めているのだろう?

 

(広瀬先生)実は、私たちが個人情報を企業に提供しているのです。例えば、Googleのような検索サイトの検索ワードを通じてであったり、SNSの閲覧や無料アプリを使うことで個人情報を提供しています。

(FUJIMAGA)情報を集めにいくのではなく、提供させるというのは、非常に効率の良いやり方ですね!こうした発想の転換がビジネスでのモノの考え方なのですね。

 

(広瀬先生)音声情報の収集にも力を入れています。iPhoneのSiriは有名ですが、最近はAmazonの人口知能スピーカーであるアレクサが注目されています。こうして情報を集めることで、企業は消費者の行動パターンを抽出することができるというわけです。マーケティングはパターンを見つけ出して、どうしたら消費者に商品やサービスを利用してもらえるだろうかと考えます。

 

(FUJIMAGA)自分では認識していないけれど、企業は私たちの行動パターンを認識しているのでしょうね。

ポイントを貯めたり、使ったりすることで、お店に自分たちの足跡を残しているようなものなのですね。

 

(広瀬先生)個人情報を提供することに対して、プライバシーへの不安を抱えながらも利便性があるために使ってしまう。

これを「プライバシー・パラドックス」と言います。