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7月8日オープンキャンパス報告② 模擬講義「定価、希望小売価格、オープン価格の違いって、なんだろう? ―ビジネスと法律―」

「TFU OPEN CAMPUS 2018」が7月8日(日)に開催されました!

今回は、隅田先生(経営学科教授)による模擬講義についてレポートします。

レポートを通じて、大学での勉強をイメージしてみてください。

 

(隅田先生)私は法律の授業を担当しています。法律と聞くと難しい印象を持たれて敬遠されがちです。しかし、具体的な事件に即して勉強していくのが法律ですので非常に面白いですよ。

 

(FUJIMAGA)みなさんは、「イージートーン」という靴を知っていますか?靴底が不安定な形状になっていることで、履いているだけでトレーニング効果のある靴です。隅田先生の模擬講義では、事例として、この靴が取り上げられました。

 

(隅田先生)イージートーンはリーボックの製品ですが、リーボックは2005年にアディダスに買収されています。そして、アディダス・ジャパンはブランドイメージを守るために、小売店に対してイージートーンの値引きをさせませんでした。これは法律違反になると思いますか?

 

(FUJIMAGA)メーカーが作った製品なんだから価格を指定するのは当然じゃないのかな?

 

(隅田先生)答えは、独占禁止法違反になります。メーカーが小売店に対して価格を指示すること(再販売価格維持行為)を禁止しているのが独占禁止法です。理由は、小売店同士の競争を妨げることになるためです。小売店同士が競争をすると、モノの値段が下がります。値段が下がれば消費者の利益になります。メーカーは消費者に選んでもらえるように、商品開発をさらに頑張ります。これが競争のメカニズムなのです。

 

(FUJIMAGA)市場(マーケット)で自由な競争が行われると、私たちにとってお得なのですね。

 

(隅田先生)消費者が買い物をするときに必ず見るのが「価格」です。では、「オープン価格」の意味を知っていますか?これはメーカーが「希望小売価格」を設定しないということです。「希望小売価格」や「オープン価格」という表現は、法律上安全な言い方なのです。例外として、独占禁止法の適用除外となる価格があります。それは「定価」です。本、新聞、雑誌、CDといった文化的要素の強いものは、メーカーが価格を指示しても良いとされています。

 

(FUJIMAGA)どれも値段には違いないのに、法律が関係することで表現の仕方が変わるのですね。

 

(隅田先生)「メーカーが希望小売価格をホームページに載せることは法律違反になるでしょうか?」答えは、載せるだけならば違反になりません。しかし、例えばメーカーが小売店に電話をして「希望小売価格で売ってくれないと困るよ」と言ったら、再販売価格維持行為に当たりますので法律違反になります。

 

(FUJIMAGA)ビジネスにおいて法律の知識が大事なことがよくわかりました。皆さんも法律の授業を履修することを検討してみてはいかがでしょうか。