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授業レポート:イベントプロデュース学科「基礎演習」〜タクナルプログラム④

イベントプロデュース学科の1年次の演習科目「基礎演習Ⅰ、Ⅱ」では、大学で必要となる基礎的な学修スキルを身につけるとともに、リアセック社が提供する「タクナル」というアクティブラーニングプログラムを活用し、チームや個人による課題解決・発見能力を高めるための手法なども学んでいきます。このプログラムを進行するのは、「ティーチング・アシスタント(TA)」と呼ばれる3年生。仲間などとの横のつながりや先生との距離に不安を抱く1年生に対し、先輩からのサポートを通じて、安心した学びの環境を提供しています。今回は、そんなTAによるプログラム報告をお届けします。

タクナルプログラム「問題を提起しよう〜ブラスバンドGIFTの憂鬱」

みなさん、初めまして!清水太陽ゼミのTAを担当している、イベントプロデュース学科3年の劔持伶奈です。
今回のプログラムでは2週にわたり、「ブラスバンドGIFTの憂鬱」にチャレンジしました。学生には、このブラスバンドの抱える問題と原因を見つけ、解決策を提案してもらいました。今回のプログラムはとても難しく、学生は答えがない問題に対してどう議論を進めるのか頭を悩ませていました。
「ブラスバンドGIFTの憂鬱」では、8人の登場人物が出てきており、皆個性的で各自何かしらの事情を持っています。コンテストに出場しようとなったのが原因で皆の方向性の違いが大きく現れ、次第に噛み合わなくなってしまいます。これは、人間関係の複雑化を表した代表的な例でもあり、考えにズレが生じた時、人も物事も上手くいかなくなった時、貴方はどうしますか?という大人でも難しいストーリー構成です。答えはないので、最初に解決すべき問題や原因は何か、話し合いの方向性をチームできちんと定めない限り、議論が迷走してしまいます。実際におかしな方向に進んでいるチームもありました。でも、こういうときこそTAの出番!学生には物事の優先順位をつけて、1番重要なことを明確にするようにアドバイスしました。方向性が決まれば後は解決策を見出すだけです。

2周目には、解決策を模造紙とパワーポイントにまとめて、各チームの発表と討論会を行いました。同じ問題や原因を挙げていても、着目している観点が違ったり、キーパーソンや解決策にも違いが見られ、問題や原因が違っても、最終的には辿り着く先が同じチームもあったりと、各チームの特色が出た発表となりました。よく1週間でここまで仕上げたなと、チームでの協働を感じることができました。難しいプログラム内容から思考錯誤を重ねて、発表までたどり着いたのはとても良かったなと感じます。
そして、今までの発表会とは違うのが、討論形式の発表ということです。各チームが必ず質問をして、討論を行うことが肝となります。どんな質問をするか、似たような方向性であれば、どのような質問をするべきなのかなど考えさせられることが多かったプログラムでした。途中から熱くなり、チームの意見、質問と言うよりは、自分自身の意見、主張が目立ってしまってもいましたが、それも含めて、良い経験になったと思います。

今回は、時間管理を徹底させ、しっかり測らせてもらいましたが、それでも時間ぴったりのチームもいれば、短すぎたり、長すぎたりしたチームもいたので、タイムキーパーの大切さを感じられたのではないかと思います。今後に期待したいです。
今回のプログラムでは、各自の主観や捉え方の違いを感じると共に、問題解決に至るプロセスを考える良い機会だったと思います。自分自身がこの立場だったらどうするかという想像力を働かせる問題は、今後も沢山の場面で出てくると思います。是非、今回の経験で得たことを忘れず、これからに活かして欲しいと願っています。
4回におよんだTAの情報発信は今回で最後になります。今までご覧頂き、ありがとうございました!