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2023年度授業レポート:イベントプロデュース学科「基礎演習」〜タクナルプログラム③

イベントプロデュース学科の1年次の演習科目「基礎演習Ⅰ、Ⅱ」では、大学で必要となる基礎的な学修スキルを身につけるとともに、(株)リアセックが提供する「タクナル」というアクティブラーニングプログラムを活用し、チームや個人による課題解決・発見能力を高めるための手法なども学んでいきます。このプログラムを進行するのは、「ティーチング・アシスタント(TA)」と呼ばれる3年生。仲間などとの横のつながりや先生との距離に不安を抱く1年生に対し、先輩からのサポートを通じて、安心した学びの環境を提供しています。今回は、TAによるプログラム報告をお届けします。

タクナルプログラム「おすすめのダイエット&おすすめの住む街」

今回のタクナルプログラムは、春から大学生になるトキワサトコさんから相談を受け、「おすすめのダイエット」と「おすすめの住む街」の紹介を、情報収集回と発表回の2週にわけて行うという内容でした。このワークでは、目的を意識しながら情報の拡散と収束を繰り返し、自分たちはなぜそう結論づけたのかを明確にする必要があります。さらに、「おすすめの住む街」の発表は4ゼミ合同で行うという新しい挑戦の回でもありました。

1週目、まず行ったのは「ウォーキング」「トマト」「断食」「レコーディング」の4つのダイエット方法について情報を集め、1つを提案するといった内容のワークです。こちらはトキワさんの希望を織り交ぜて最適だと思うものを導き出さなければいけません。この課題のポイントになるのが"情報分析の軸"。トキワさんの希望する項目を軸として、当てはまるかどうかを○や△を用いて考えることで比較しやすくなり、結論への近道となることが分かりました。
情報分析の軸を見つけて比較することに慣れたところで、本題のワークである「おすすめの住む街」を考える作業に入りました。「サトコさんはこの春、地方から引越しをして池袋の大学に通うため、急ぎ住む街を探しているところ。しかし、土地勘がなくイメージがわかないため、希望をもとにチームで情報を集めておすすめの街を提案してほしい。」というのが課題の内容です。今回はTA同士で相談を行い、プログラムにある候補の街のうち3つをオリジナルの選択肢として加えて進めていきました。

「おすすめの住む街」の紹介にあたり、情報分析の軸とオリジナリティのある軸、つまり自分たちが目的とするものは何か、ということが大事なポイントになります。しかし、グループワークを見ていると、トキワさんの希望についての情報だけを集めようとするチームが多く見受けられました。そこで、「自分たちなら何を意識して住む街を探す?」「せっかくならオリジナリティのある提案をしたいよね」とアドバイスを行いました。すると、徐々に会話の中で「私だったらこの条件も見る」「これあったら住みやすいよね」という声があがり、トキワさんの希望+αの軸を決定していくことができていました。そうして作ったオリジナルの軸を使い、次週の発表に向けてチームごとに意見交換を重ね、PowerPoint資料や発表原稿の作成を効率的に進めることができていました。

迎えた2週目の発表回。4ゼミ合同の発表の場、そして最後に投票も行うということで少し緊張している学生も見受けられましたが、どのチームもしっかりと準備してきた様子で、スライドの使い方や話し方からそれぞれのゼミの個性が見える発表回となりました。最終的に選んだ街は同じ場所という結果でしたが、どのチームも目的に合わせたオリジナルの軸を考えて提案できていました。PowerPoint資料の統一感や、序論・本論・結論の構成を意識した発表内容から、1週間という短い期間でしっかり調査を行って発表に臨んでいたことが分かり、春学期からの成長を感じることができました。また、すべてのチームが発表時間を過ぎてしまったことや、発表時の視線や原稿の読み方、スライドの文章量などから、それぞれの反省点・今後の課題を見つけることが出来ました。

今回のプログラムを通して、チームとしての「目的」を明確にしたうえで軸を絞り、自分たちなりの結論を示すための道筋を整えることの重要性に気づけたのではないかと思います。ワーク中の様子から、話し出しが早い人、面白い視点から意見を言う人、意見をまとめて発表するのが上手な人などそれぞれが強みを持っていることが分かるので、今回の反省を活かしてより成長してくれることを期待しています。
4ゼミ合同の発表回ということもあり、残念ながら1部のチームの発表しか見ることができませんでしたが、授業後に他教室の発表の様子を聞くと「井上ゼミがベストチームでした!」「優秀だったと言ってもらえました」という声があがり、TAとしてとても嬉しく思いました。

ここまでご覧いただきありがとうございました。今後もTAからの情報発信がありますので是非ご覧ください!

(イベントプロデュース学科3年 村山)